グラフィックデザイナーに読んでほしい漫画5選

有藤は漫画も結構読みます。今回は、グラフィックデザイナーと言う立場から面白かったオススメ漫画たちをご紹介します。

デザイナー 同胞たちにはぜひ読んでいただきたい。

それから、もしもオススメの漫画とか、自分は読んでこう思ったよ〜とかあったらどんどんコメントください!

と言うわけで早速ご紹介していくぞ!

星明かりグラフィクス

そもそも、私はジャンルとして「美大・芸大もの」が好きです。普通の青春ものでさえ、読むだけでモラトリアム多幸感に浸れるのに、そこに「芸術」というオプションまで付いてくれば一石二鳥で二度美味しいって感じ。自分が関わってきている世界なので。で、中でも星明かりグラフィクスは芸大感が強いので特に好きです。

 

ざっくり内容を書くと、とある芸術大学を舞台にした、凸凹な2人の女子美大生が主役の青春グラフィティ!

デザイン学科2年の吉持 星(よしもち・せい)はデザインの才能はピカイチ、だけど潔癖症で人嫌い。
美術学科2年の園部明里(そのべ・あかり)は、芸術的才能はないが、コミュ力と上昇志向の塊。
明里は吉持の才能を目の当たりにし、彼女をプロデュースする形でコンビを組み、デザイン活動をおこしていきます。

山本和音さんの初コミックス。初の、コミックス…。

紹介書くにあたって調べていてびびったよ。初単行本でこのクオリティなんだな…。

絵柄は可愛いし、話のテンポも良いし、全3巻で話も綺麗にまとまっていて、すごく好きな作品です。

 

クリエイターとして、やりたい事がある事。それをやるガッツの大切さ。あと、縁…。大事だよなぁ。

私も吉持みたいな学生時代過ごしたかったし、あそこまではっきりデザインが好きだって一生懸命になれるバイタリティが欲しかった。

吉持と園部の2人は、私もこんな大学時代を過ごしたかったなぁというのを駆け抜けてくれるので大好きです。

結局は楽しんで長い時間週中できるやつがデザイン上手くなるんだよなぁ。私も頑張らなきゃと思います。

そして!デザイナーに見て欲しいポイントは、カバー&カバー下〜遊び紙のデザインです。

ボールドなセリフ体が印象的な表紙は、イラストとのレイヤー感がグラフィカルにまとめてあって『デザイン』漫画である表現がされています。

背面についてるバーゴード枠、バウンティングボックスで選択してあるからね。芸がこまかい…!

各巻にそれぞれキーカラーがあるんですが、特色刷りですかね。すごい綺麗な蛍光。ここまでは、買う前に見える表の部分です。

買った場合にはぜひカバーも外してみて。デザイナーならニヤっとしちゃう。多くのデザイナーが目にしているであろう、Macbook、Adobe Illustratorのデザインを忠実に再現しているんだな。

ちなみにデザイン会社はBALCOLONY.さん。アニメや漫画のデザイン精力的にやられてますよね。さすがのクオリティ。

 

ブルーピリオド

世渡り上手なヤンキーの矢口八虎(やぐちやとら)が、絵の世界に出会って、美大合格目指して頑張る熱血漫画です。

美大ものってまぁちょいちょいあるけど、美大に入る過程を描くってのはちょっと珍しい切り口な気がします。

そしてスポ根です。いやスポーツじゃないけど、それに準ずる。情熱で練習して成長していくお話。

 

「このマンガがすごい2019 オトコ編」4位、「マンガ大賞2019」ノミネートされていたりと、いま注目を集める漫画です。

 

公立美大ってね、めちゃくちゃに倍率高いんですよ。

有藤はスタートラインに立つ前に諦めました。絵の世界には負けました。だから今デザインをやっているんです。(不満はないですよ。デザインはデザインで奥が深い!)

でも高校の時には、油絵をやっていたし、いわゆる美大ではなかったけどデザイン系の大学に進学した時デッサン試験も経験してるのでもう共感がすこい。

高校までろくに絵を知らなかった八虎が藝大絵画科進むって、ものすごく無謀なんですけど、応援したくなります。メンタルが強い。

 

あるインタビューで、「美術を楽しいと思ってくれたらいいな、敷居が高くなくなると良いな」と思い描き始めたと作者の山口つばささんが語っているのですが、主人公がもともと絵の世界に疎い状態から入ってくる上にだいぶ理屈っぽく考える子なので、絵ってこういう考え方もできるんだな、センスだけじゃないんだなってのがよくわかる漫画に仕上がっています。

この漫画はすごく言葉が強い。クリエイターには特にグサグサくるんじゃないかな。

個人的にグッときたのは、『好きな事をやるって いつでも楽しいって意味じゃないよ』です。

3巻にて、八虎が一度絵が上手くいって調子乗っていたら次は酷評されて、落ち込むシーンのモノローグですが、もうこれな…それな…しか言えない。

クリエイターやってるやつ、絶対言われたことあると思うんですよ。「好きな事仕事でやれていいよね!」的なやつ。言われたら「うん〜ありがたいよね」って表向きには言うけどさ。

 

2019年10月現在、5巻まで出ていますが、試験の大事な時に八虎どうした!??ってとこで終わってしまっていますので、続きが気になるところです。

ハチミツとクローバー

有名作ですね。実写化もアニメ化も、メディアミックスしまくったので、知ってる方も多いとは思います。

が、だからこそ、知ってはいるけど原作読んだ事はない…みたいなデザイナーには是非に読んでいただきたい。

 

大枠は、メンバー総片思いみたいな恋愛模様を描いたストーリーです。つっても恋愛だけで話が進むかと言うとそうでもないです。日常を交えつつ、コメディもありなので、男性でも読みやすいのではないでしょうか。

最後はそこがくっつくのか…って終わり方ではあるんですけど、私個人としてはそうしかなかったよなぁ…って思っています。あの2人の、「迷惑をかけたくない」は愛情あってこそなのです。恋愛ものとしては、ちょっと王道を外れていますけどね。

さて、クリエイター観点から見て楽しめるところを紹介しなくては!

ハチクロは美大が舞台で、メインメンバーはそれぞれ専攻が違ったりするので、美大の楽しいところが色々垣間見えます。

有藤は多感なティーンの頃に読みまして、バリバリに絵を描いてた頃だったので絵柄にもメンタルにも相当な影響を受けました。

竹本君が進路を考えるにあたって、ぐるぐる悩む6〜7巻あたりはもうつらくて、それでも何回も読んでしまって…。

「やりたい事」をやり続けるのも大変だし、「やりたい事」が見つけられないのも大変なんだよねぇ。

ハチクロはどちらも描かれているけど、私は圧倒的に「見つけられない」人だったので、竹本君に自分を重ねまくりました。

クリエイターの世界ってさ、どうしても圧倒的に上手い人っているじゃん。勝てないなぁってことも多いじゃん。

自分の作風とか好きなものの軸が明快にあれば突き進めるけど、そうじゃない時にふと自分これでいいのかなってなるんだよね。

大学の教授にも、高校の美術部の顧問にも言われたことある、「あんたの個性(強み)ってなんだろうね」的なこと。

そんなの私が知りたいよ!!!って泣いたこともある。

まーでも、今は商業デザイナーとかやってると、癖が強くないのはある意味顧客に合わせられるってことで、それはそれで自分の息ができるところを見つけられたなって感じではあるのですが。

話が逸れましたが、ハチクロは「作る人」ならば共感できるポイントが溢れていると思います。才能溢れる人にも、才能なかった人にも。

午前3時の無法地帯

イラストレーターを目指す女の子・ももこが、デザイン会社(パチンコ関係専門)で働きながら、恋に仕事に奮闘するといったお話でございます。

ももこが感情表現豊かに頑張っている姿は見ていて微笑ましいです。話のテンポも良く、3巻で一旦完結してるのも気軽に読みやすい。

本田翼ちゃんを起用した実写化でも話題になりました。

タイトルの午前3時とは、残業三昧ブラックなお仕事の意味での時間です。会社に寝泊まり、下着姿で社内を歩く先輩社員、怒鳴り散らす営業担当、タバコの煙も充満してるし、環境はもう最悪と言う意味での無法地帯。

昨今、働き方改革などの動きもあり、ブラックな会社は減ってきているのかな?と思いますけど、それでもまだまだ、制作会社ってブラックな部分蔓延してますよね。
裁量労働制と言い訳して、実際時給にしたら最低賃金割ってるってことも…まだ正直…あるんじゃないかなぁ。
有藤はそれを考慮して就活の時に受かっていた会社を辞退したことがあります(笑)
サラリーマンクリエイターなら、ももこの働き方に共感できる部分はきっとあるのではないかなぁ。
やりたい仕事そのものではないけれど、その仕事に近い仕事ができることが喜びになる部分みたいな。
納期ヤバいけど頑張らなきゃ終わらない!!!みたいな時も…。
また、厳しいことも言うけど、支えになってくれる会社の仲間たちもいいキャラが多いです。
有藤の推しキャラは堂本。主人公の上司に当たるチーフデザイナーです。
ももこが会社辞めたいと言い出した時に、「”こんな会社”でも俺らは必至こいてやってんだ」って言うセリフがあるんですが、まさにそうなんだよねぇ…。
”グラフィックデザイナー”て言うと響きはかっこいいですけど、その実作業は結構地道で泥臭いもんじゃないですか。
大手広告会社とかならまだしも、世の中の多くは小さい会社の目立たない仕事が多いじゃないですか。
それでも毎日デザイン頑張ってるじゃないですか。
この漫画は、自分も頑張るか!って思わせてくれる漫画です。

左利きのエレン

デザイナーの朝倉光一と、高校時代の同級生でありアーティストのエレンの生き様を、それぞれのパートを行ったり来たりしながら描かれる作品です。

天才に憧れて努力する光一と、天才だからこそ苦悩するエレンの、お互いに惹かれるストーリーの描き方は胸熱。

もともとはweb連載のインディーズ漫画です。作者のかっぴーさんは広告会社やweb制作会社の経歴をもつ漫画家としては珍しいタイプの方。業界をよく知っているだけあって、デザイナーを取り巻く環境をえぐいほどリアルに書き出しています。

『天才になれなかったすべての人へ--。』って言うのがこの作品のメインコピーですけど、もうすでにここで多くのデザイナーにはグッサリ刺さってしまうと思う。

光一パートはもう現職デザイナーには胃が痛い。営業と技術屋の確執、有能な先輩の独立、仕事の為になりふり構わない上司、客先からのクレーム、頑張ったコンペは会社の手柄、納期直前の修正…等々もうリアルすぎて。しんどすぎて。人ごとではない。

「何者かになりたい」って誰もが持つ承認欲求を抱え、あくまでも凡人として描かれる光一。いやもう、あんだけ努力できたら立派に才能人じゃんと個人的に思う部分もありますけど、エレン対比してしまうとやはり彼は凡人でしかないのです。

でも凡人なりにまっすぐに戦ってきた光一が、自分を認められるようになるのには泣いてしまいました。だってわかるんだもん。作っても作っても平凡なものしかできなくて、評価もされなくて、ああ勝てねえなって言う焦燥感も空虚感も。わかるからこそ、光一が自分の仕事を全うできたのがすごく嬉しかった。

私もいつか、自分の仕事とか生き様とかを認められるようになれるかなぁ。

そうなりたいのなら、ぼーっと過ごすのやめて、本気にならなくちゃなぁと思う作品です。だってクリエイターで生きるって決めたんだもん。

登場人物はそれぞれに信念があって個性豊かなので、様々な視点で世界を見られるのもこの作品のいいところ。

話は無茶苦茶に面白いんですが、作者の絵はあまり上手くない…と言うことで、リメイク版も出ています。リメイク版の方が、話の補填がされているし絵も綺麗です。

が、個人的にはデザイナーは原作版で読むことをお勧めします。なぜかって言うと、リアリティが増すからです。原作版は実在のデザイナーの名前がちょいちょい出てくるとか、細かい部分でリアル感が違います。漫画誌で正式に連載するとなると、実在の人物名って規制されちゃうんでしょうね…。原作版は書きたいことがダイレクトに伝わる熱量もあります。

ちなみに、原作版はkindle unlimitedやcakesで 実質無料で読めちゃいます。近々実写ドラマ化も決定しています!読むなら今っす!

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